はじめに

原因不明の体調不良が実は『機能性低血糖症』だった。ここに辿り着くまで、沢山時間を費やしました。
世間ではまだ広く認知されていないこの病気、少しでも多くの人がこの苦しみから抜け出せますように。
治療体験談です。

お願い

※このブログはあくまで個人的な治療体験にもとづき、低血糖症についての情報をまとめさせていただいたものです。症状や治療法に個人差があり、全ての人に当てはまるものではございません。主観的な意見も多く含まれますので、参考程度にご覧ください。

2010/12/02

機能性低血糖症とは

今回はそもそも、機能性低血糖症とはなんぞや?
というところに触れてみたいと思います。

まず誤解しないでいただくために、このブログで私が言っている低血糖症とは
一般的に糖尿病などが原因で起こるものとは別物です。
糖尿病の治療薬でおきるものや、インスリノーマ(膵島細胞腫)、胃の手術等が原因で起こるものと混同している方をみかけますが、違います!
ネット上でも『機能性低血糖症』の治療法について知りたい方に対して、上記の低血糖症と勘違いし、誤った回答や治療法を書き込まれているのを見たことがあり、少しでもそういった誤解が減ることを願い、最初に述べさせていただきました。
※ただ糖尿病でも低血糖症にはなり得ます。

私個人としては病名に関しては、すごく勘違いしやすいので何か別の名称にしたらいいのになと安易に思ってしまいます。 

ではここからが、本題。
機能性低血糖症を簡単にいうと、血糖調節異常といったところでしょうか。
これにより体内のホルモンバランス等が乱れたり、過剰分泌されたりして様々な症状を引き起こします。
症状は身体的なものから精神的なものまで広範囲にわたり、それらの様々な症状から別の病気と誤診されることもしばしばです。この病気は別名、『偉大なる物まね師』と呼ばれていることからもその症状の広さが伺えるでしょう。

下記が症状の一部です。

●身体面での症状
異常な疲労感
めまい、ふらつき、立ちくらみ
頭痛、偏頭痛
眼球の痛み
目のかすみ
動悸、発汗、不安定な呼吸
手足の冷え、震え
ため息、生あくび
筋肉痛、胸痛、狭心痛
胃腸虚弱、口臭、下痢、便秘
食後のねむたさ、朝おきられない、起床時の疲れ
湿疹、アレルギー、関節炎
体温の上昇
失神発作
生理前緊張症
肥満、体重減少
甘いものが無性に食べたい

●精神面での症状
自律神経失調症
うつ症状(不安、恐怖、焦燥)
集中力・判断力の低下
感情の抑制ができない
引きこもり
完璧主義
健康の認識基準が低い
自責の念が強い
過度に目的志向
自責の念が強い
ストレスを受けやすい
不眠と悪夢
キレる
感情表現の欠如

など
 ※参考文献:柏崎良子氏著 低血糖症と精神疾患治療の手引き
 ※参考HP:低血糖症治療の会ホームページ

血糖調節異常についてもう少し詳しく説明しますと…
通常、糖分や炭水化物などを摂取したあと、血糖値は上昇します。この時膵臓から 分泌されるインスリンが血糖を調節して常に正常値を保とうとします。健常な人である場合、例えば空腹時にジュースを飲むと1時間くらいの間に血糖値が上昇 し、その後3〜4時間くらいかけて徐々に血糖値を正常に戻していくという流れになります。

これに対して、血糖値が低すぎたり低いままでとどまるのが低血糖症の特徴です。
それは大きく二つに分かれます。まず、糖分摂取後の血糖値の上昇が正常値を上回り、さらに3、4時間後に正常値に下がっていくはずの血糖値が正常値を大きく下回るパターン。
この血糖値の上下変動が大きいものを『反応性低血糖症』といいます。
 もう一方は、30分〜1間後の血糖値が上昇しておらず、その後も低いままでとどまるパターン。こちらは『無反応性低血糖症』とよび、反応性に比べて重症な場合が多いそうです。
※ちなみに私は無反応性低血糖症です。

この時、体内では数値を正常に戻そうとインスリンが大量に分泌されたり、他にも身体を正常に保つ様々な機能に影響を及ぼします。内分泌系が乱れ、自律神経に支障をきたすことで不調な症状が現れるのです。
しかしこの病気、お医者様の間でもまだまだ認知度が低い病気だそうで、冒頭でも説明した糖尿病のそれを引き合いにだして、低血糖症じゃないから〜とはなから否定されて終わりなんて人もいるそうです。 

じゃあどうやってこの病気を調べるのかといいますと、
5時間の糖負荷検査 
であります。 空腹状態の身体にブドウ糖を摂取してその後30分ごとに血液を採取し、血糖値の変動の仕方を調べます。それによって低血糖症であるか正常であるかの判断をします。
検査の詳細はまた追って…。

さきほど、健康な人が正常値に戻るのが4時間くらいと書きましたがつまり、正常な血糖値の変動が起きているかを調べるには、5時間という時間が必要なんです。ですから糖尿病外来などで行っている血糖値の検査や、通常の健康診断の血液検査ではその一部の切り取りにすぎないため異常とは判断されないということなんです。
これが明らかに不調を感じているのに、検査結果は陰性となる理由です。

私も専門機関での診断前は上記の多くの症状にあてはまっていました。(私の症状はこちら
若年性更年期障害、脳神経系の病気、糖尿病、慢性疲労症候群、自律神経失調症、うつ病、甲状腺機能障害 などを疑いました。予想はたてるものの、どれもしっくりこない、 健康診断でも数値は正常でした。不定愁訴と片付けてこのまま一生この身体とつきあっていくしかないのか、日を追うごとに気力体力が限界に向っていたことを思い出します。


では、この低血糖症、何が原因でおこるのでしょうか…。
それは次回につづきます。

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