はじめに

原因不明の体調不良が実は『機能性低血糖症』だった。ここに辿り着くまで、沢山時間を費やしました。
世間ではまだ広く認知されていないこの病気、少しでも多くの人がこの苦しみから抜け出せますように。
治療体験談です。

お願い

※このブログはあくまで個人的な治療体験にもとづき、低血糖症についての情報をまとめさせていただいたものです。症状や治療法に個人差があり、全ての人に当てはまるものではございません。主観的な意見も多く含まれますので、参考程度にご覧ください。

2011/02/23

治療記録 検査結果がでるまで

治療記録として検査直前から治療開始以降のことを
1ヶ月ごとに書いていこうと思います。
それ以前の私の症状はこちらからどうぞ→私の症状
※個人の治療記録です。参考までにお読みください。


検査の数ヶ月前から自分なりに生活を見直してみたところ、
少し回復したように思えていましたが、
慢性的な症状はむしろ増え、日常生活に支障を来たすことも多かったため
自宅療養を決意し、休養と治療に専念することにしました。
月に数回寝込むほどの症状もまだ出ていました。


症状
月に1度〜数回やってくる寝込む程の頭痛、眼球の奥をつぶされるような痛み
吐き気、嘔吐の症状に加え、慢性的な症状としてめまい、疲労、倦怠感、腰回りの重さ、目の霞、動悸、胸部痛、むくみ、軽い頭痛、身体のほてり発汗、体温の上下などがでていました。
生理痛、月経前緊張症もありました。

頻度は数日症状が出たり、一日置きだったり、
一日の中で出たり消えたりその時によって色々です。
仕事を辞めてすぐ予定が立て込んだせいか、
体調不良になってからの数年間の中でも一番大きな頭痛(眼球痛も)と
嘔吐の症状がでました。あまりの酷さと、経験したことのない痛みに
救急車を呼んでほしいと思った程でした。
ただ症状を自覚しない日もあったり、
休んだことで多少よくなった気はするのですが、
スッキリとしない感覚がつづくというのが日々の状態でしょうか。
しかし検査で久しぶりに身体を追い込んだことで、また不調に逆戻り…。
また旅行など一日中予定があったりすると、必ず症状がでました。

治療薬/サプリ
検査の日に早速サプリを勧められました。
まだ結果をまっている段階のため、治療薬は保険の範囲で出してもらいました。
ビタミン剤が複数だったと思います。
これまで、色んな検査をしても異常がなかったので
どこかでどうせまた違うのだろうという気持ちでいました。
この薬が効いているという感覚はあまりありません。

運動
運動をしなければいけないことは頭では分かっていましたが、
なかなかできず、そこで私が始めたのがラジオ体操です。
学生の頃割と徹底して教えられたので、身体が自然に動きました。
時間も1回あたり3分だったので、これだけは毎日続けられました。
大体セットで第二体操まで行っていました。
ウォーキングや軽いジョギングはやる気が出たときや体調がいい時には、
はりきってやっていましたが、週に1回出来るかできないか
といったところでした。他にもダイエット用のエクササイズを
やる気のあるときは2週間程つづけてみたり。
体調に波があるため、出来たりできなかったりを繰り返し、
また運動で症状が悪化したりして、体調や体力が追いついていない状態でした。

食事
きちんと自炊したものを食べる。
それくらいしか意識せず、多少バランスに気をつけながら
普通に食べたいものをたべ、飲み暮らしていました。
検査の結果も出ていないし、食事療法の持つ意味も
それがもたらす効果もサプリ同様理解しきれていなかったため
甘いものもこれまで通り食べていました。
お酒もこの頃飲む機会があったのですが、少量でもやはり体調がすぐれず、
鼻血がでてしまったためその後の飲みは全てソフトドリンクとなりました。
結果を待つ間に書いた日記では『食事を気をつけるだけで、
本当に変わるのかな』と書いているくらいまだこの頃は半信半疑でした。



症状は寝込む日以外は割と耐えることができました。
楽観的にとらえ、何もでていないと元気になったような気がしていました。
この頃は家でじっとしていると返って自分の症状を自覚してしまうため
気を紛らわす意味でも外に出たり予定を入れようと思っていました。
症状がないのに、家で何もしないことのほうが私にはいけないことに感じたのです。

ただ誰かとの予定を入れた時に症状が出ては困るとの思いから
心のどこかで約束することが恐怖でした。虚弱体質の人生を歩んできたため
いつのまにか元気に振る舞う癖が無意識に出るようになっていました。
どんなに辛くても目の前に誰かがいる限り相手に気づかれないよう
無意識に元気ぶってしまうその行為にも疲れていたのでしょう。
ずっと原因がわからず、病気でないという思いがそうさせていたのかも。

今(治療7ヶ月)振り返ると思考回路はまるで停止していました。
頭の中でしなければならないことやした方がいいこと(趣味なども含め)は
分かっているのですが、身体がまったくついていかず、
何もしないことに罪悪感を感じる体力すら残っていませんでした。
義務以外のことはもう手につかないといった感じです。
自分の行動全てを無意識に義務にすることでやっと動けていたので、
楽しいはずの事もやらなければならないことになっていました。
もっとも数年の間に慢性的に症状が蓄積されたことで、
当時はそのことにも、ことの重大さにも気づいていなかったのですが、
本音は全て休みたい、休ませてほしいという感覚だったと今なら分かります。

当時は自分の状態に気づく体力もなかったので、
周りの人には軽いのりで、不調でちょっと休むけど平気〜
程度にしか言っていませんでした。
周りも夏でバテている程度の認識だったと思います。
これまでどれだけの症状がでていて、仕事を続けられない程
悪化していることを説明できませんでした。
自分が一番この状況を認めたくなかったし、
弱音を吐いたら立ち直れない気もしていたし、単純に
真正面から辛さを受け止めそれについて語れるほど強くなかったのです。

2011/02/18

機能性低血糖症の治療 〜その他〜

低血糖症は、これまでの生活スタイルや、生活環境が複雑に絡み合って
起きています。→低血糖症の原因はこちら
今までの生活を振り返り、出来ることから改善していくことも大切です。
それは低血糖症でホルモンバランスや自律神経が乱れることで
起きてくる症状に、早め早めに対処することになるのです。
以下に栄養・食事・運動の他に指導されたことをまとめました。
今まで触れてこなかったホルモンや神経伝達物質についても
少し掘り下げてみました。

・無理をせずに、休憩を挟みながら。
低血糖症の人は、ただでさえ、エネルギー産生が上手くいきません。
あまり予定を詰め込むと状況は悪化するばかりです。
疲れたなと思ったら、こまめに休憩をし、
間食をとる(エネルギー補給する)よう心がけることが大切です。

・生活リズムをつくり規則正しい生活、十分な睡眠を。
できるだけ夜は早く寝て、エネルギー温存、身体の機能正常化をはかります。
仕事で夜遅くなる人も、生活のリズムを作り、キープしていくことで
血糖値を安定させることにつながります。
できるだけ毎日同じ時間に食事をとることも大切です。
睡眠は脳の疲れやストレスの軽減にも効果的です。 

・太陽をあびる 
低血糖症では、血糖値を上昇させる際に過剰にでるホルモンが
自律神経の働きを乱し、不定愁訴を引き起こします。
それらのホルモンを調整しているのが『セロトニン』です。
この『セロトニン』の働きを高めるには太陽を浴びることが大切です。
また『セロトニン』は体内時計を調節する『メラトニン』を作ります。
なるべく早い時間に日光浴をし、『メラトニン』を作ることで、
夜寝付きがよくなります。

※セロトニンはストレスを感じ続けると機能が低下します。
セロトニンを作るためにもタンパク質は必要です。 

・十分な休息を…そしてくつろぎを。/ストレスをためない、リラッ〜クス
低血糖時に分泌されるホルモンの影響で心身共に興奮状態になっており、
大変疲れやすいため、休息とくつろぎはとても大切です。
くつろぐことで、先ほど説明した『セロトニン』の分泌が促されます。
また血糖値を調節する副腎は 睡眠不足や、精神的ストレスにも対応しています。
ストレスが多いときには低血糖に対応するのが難しくなります。
他にもストレスは過食や、早食いなどにもつながり栄養の吸収をさまたげます。
できるだけリラックスして、ストレスをためないようにします。

以上です。
理解を深めるため、ホルモンや神経伝達物質についてもう少し。
血糖値を上昇させるホルモンは明け方に分泌がはじまり、午前中を最大とし
午後3時くらいには分泌が終わります。その後は夜中の1時ころ分泌されます。
そのため、夜は11時くらい、遅くても12時に就寝するのがよいそうです。
午後にはホルモンの分泌が終わるため低血糖の症状が出やすくなります。

また血糖値を上昇させるホルモンの過剰分泌による症状も出ます。
これらのホルモンは血糖値が下降し始めた時分泌されるので
過剰分泌により起こる症状を抑えるには、
間食のタイミングがとても大切なのだそうです。
血糖値が下がりきってからでは遅いのです。

私はこのことを知った時、目からウロコが落ちる思いでした。
私の症状もまさに、一番悪化するのが、午後から夕方にかけてだったので。
空腹と関連して症状が出てくるというのはあまり自覚していなかったので
どうしても間食を忘れてしまいがちでしたが、これを理解してから
なるべく血糖値が下がる前に補給をしようという気持ちになれました。

ちなみにこの過剰分泌のホルモンのうち、自律神経に影響を及ぼしているのが
『カテコーラミン』と呼ばるホルモンで
アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンを指します。
ストレスに対応する時に働くホルモンと一緒で、自律神経を刺激し
心身に緊張と興奮をもたらします。
これは私の解釈ですが、低血糖症の人は、ストレス下でなくても
身体が常にストレスを感じているときと同じような
状態になっているのではないでしょうか。
だから気力体力の低下が著しかったのかなと思うと妙に納得! !

また血糖値を上昇させるために副腎から分泌されるホルモンを
『コルチゾール』といいます。
このホルモンはアレルギーに対応しているので、
低血糖症だとアレルギーの症状をおこしやすいです。
アレルギーや副腎の疲労時、低血糖症への対応もが難しくなり、
負のスパイラルに…。
またコルチゾールの過剰分泌により『セロトニン』は不足していきます。

その他にも血糖上昇にかかわるホルモンがいくつかあり、
むくみをひきおこしたり、カルシウムを低下させたりしますが、
ここでは割愛させていただきます。

低血糖症のメカニズムや、身体機能のメカニズムを頭に入れることで
治療に取り組みやすくなりますが、専門用語で語られても
特に治療初期の頃は“理解する気力も体力もない”のが実状です。
私自身、読むように言われた治療の手引きをとても読む気になれず
専門用語の羅列を見ては、遠ざけてしまっていたものです。
そのため、ここではできるだけ治療への動悸づけになるよう、
難しい表現を避け漠然と『ホルモン』と記載するようにしています。
表現に不備がありましたら、ご指摘ください。

2011/02/11

機能性低血糖症の治療 〜運動療法〜

食事やサプリと同じくらい、大切なのが運動です。運動をすることで、
基礎代謝力がアップし、低血糖に対応できる身体になるそうです。

病気をしていない人でも運動が健康にいいことは知っていますよね。
それくらい運動が身体にもたらす恩恵がたくさんあります。
循環や代謝の促進、基礎体力のアップ、細胞の活性化、
心肺機能の活性化などです。低血糖症では膵臓が疲弊し、
消化吸収率も低下し、栄養欠乏により代謝率も悪く、
さらには自律神経の乱れによる様々な症状を引き起こしています。

運動により身体の機能を正常化させていくことはすなわち、
低血糖症の症状に対応できる身体を作ることなのです。

具体的には下記の3種類の運動を取り入れます。
・準備運動
・鍛錬のための運動
・循環を促す運動
参考文献:柏崎良子氏著 低血糖症と精神疾患治療の手引き 

準備運動とはストレッチなど主に身体を伸縮させることで、
血行を良くし凝り等をほぐします。
鍛錬のための運動は筋肉をつける運動です。
筋肉には糖を蓄えることができるので、
低血糖時にエネルギーに変えることができるのだそうです。
循環を促す運動。俗にいう有酸素運動でしょうか。
水泳やエアロバイクなど、筋肉を長時間使うことで、循環器を鍛えます。

他にも運動にはストレスを発散したり、
気晴らしになったりとリフッシュ効果があります。
運動を通じての社会的つながりや、交流が図れるという良い面もあります。
私も最初は『運動をしなければ』という思いで始めたため、
気乗りしない日や続かない日もありましたが(今もあります)、
反面、運動による爽快感はなんとも気持ちよく、
自分のペースをみながら、運動を取り入れることができるようになりました。
とにかく、体調を考慮して出来るところから…が大切です。
無理をしたり、運動が逆にストレスになるようでは元も子もありません。
できる時にできるだけ!


何度かお話していますが、低血糖の状態にある人でも
身体の機能がそれをカバーできれば、症状が出ない人もいます。
私は最近、自分の過去の状態から、体調不良が悪化する前から
低血糖状態(または低血糖に陥りやすい状態)にあったのではないかと
思うことがあります。ただ、それを気力で乗り切ることができ、
誰しもがたまにある『体調不良』と割り切れていたのは、
身体がそれをカバーするだけの基礎力があったからなのではないかと。

私は小・中・高と地域の活動や部活動などで、
運動が日常の一部にある生活をしてきました。
体調に変化をきたした頃、食生活が変わったことはこれまでも言っていますが、
振り返ると、同じ時期から全く運動をしなくなっていました。
低血糖症だけに限らず、心身共に不調がある人は
是非運動を取り入れてみてください。
日頃運動をしている人って、みんなハツラツとして、明るい人が多いのは
単に『体育会気質』ってだけじゃない気が近頃はしています。

2011/02/05

アメブロ始めました。

治療の話、なかなか自分の中で上手く落とし込めてないため時間かかってます。
そんな中アメブロ始めました。
一応日常生活綴ってますが、低血糖症でおすすめのおやつやお料理なども書いていけたらと
思ってますので、よければ見にきてください。→こちら
もう少し記事が増えたら相互リンク貼ろうと思います。
ちなみに本日は、豆腐で作ったたこ焼き紹介してます。

2011/02/02

機能性低血糖症の治療 〜栄養療法・食事療法2〜

サプリによる栄養治療と食事療法には摂取の仕方(食べ方)と
食べ物に注意が必要です。

エネルギーのもとになる三大栄養素のうちブドウ糖へと変わり
一番最初にエネルギーになるのが炭水化物です。
そしてタンパク質、脂質の順であとの二つは
エネルギーに変わるまで時間がかかります。
低血糖症の場合、炭水化物がブドウ糖となって急激に吸収されてしまうため、
その後低血糖状態になってしまうお話は以前しましたね。→治療法2
炭水化物に代わって、低血糖時にブドウ糖に変わるのがタンパク質です。
タンパク質は炭水化物より血糖値の上昇がゆるやかで、
食後3時間くらいで最高値に達します。
ですから、タンパク質を食前、食中、食間にうまくとることで
血糖値を安定させることができるのです。

以上を踏まえた上で、その他食べ方・食べ物の注意点をまとめました。

<食べ方のポイント>
・何よりの基本!バランスのとれた食事を規則正しく(血糖値安定につながる)
・低血糖にならないように間食をこまめにとる。(主にタンパク質)
出来るだけ少量頻回食、就寝前にも軽食を。
・血糖値が低くなるより30分〜1時間前に間食をとる。
(5時間の糖負荷検査を参考にタイミングを見つける)
・食事の順番は野菜→タンパク質→炭水化物の順にとる
※消化吸収を助け、さらに糖質(炭水化物)を急激に吸収するのをおさえます。
・ゆっくりよくかんで食べることで、胃腸の負担を減らし消化吸収を促す。

<食べ物のポイント>
・タンパク質、ミネラル、ビタミンを含む食事を心がける
・穀物は未精製のものを(例 : 玄米、胚芽米、全粒粉の小麦粉、黒砂糖)
・糖分を控え、特に単糖類(果物)、二糖類(砂糖)に注意!
・嗜好品を避ける(アルコール・カフェイン・タバコ)
・G.I値の低い食品をとる(膵臓を休ませ、血糖値を安定させる)
・症状に合わせて適切な栄養を含む食事を!

具体的な食品やサプリ名についての記述はあえてさけました。
サプリの種類や摂取方法は症状の出方や検査結果により
患者さんごとに異なります。
お住まいや治療費の問題などから自己流で治療を始める方も
いらっしゃると思いますが、食事・サプリの効果を最大にするために
血液検査や問診はとても大切なので、出来れば最初の検査だけでも受けて
専門医の指導を仰ぐことを私はお勧めします。

※以下は私の一日の食事とサプリ摂取の流れです。
あくまで参考までにご覧頂ければとおもいます。

<朝>
食前サプリ
朝食 食べる順:野菜(ビタミンB)→肉魚等(タンパク質)→玄米(炭水化物)
食後のサプリ、処方薬

間食 / サプリ

<昼> 
食前サプリ
昼食 食べる順:野菜(ビタミンB)→肉魚等(タンパク質)→玄米(炭水化物)
食後のサプリ、処方薬

間食 / サプリ

間食※食事までの時間に応じて

<夜>  
食前サプリ
夕食 食べる順:野菜(ビタミンB)→肉魚等(タンパク質)→玄米(炭水化物)
食後のサプリ、処方薬

間食※就寝までの時間に応じて

就寝前のサプリ