はじめに

原因不明の体調不良が実は『機能性低血糖症』だった。ここに辿り着くまで、沢山時間を費やしました。
世間ではまだ広く認知されていないこの病気、少しでも多くの人がこの苦しみから抜け出せますように。
治療体験談です。

お願い

※このブログはあくまで個人的な治療体験にもとづき、低血糖症についての情報をまとめさせていただいたものです。症状や治療法に個人差があり、全ての人に当てはまるものではございません。主観的な意見も多く含まれますので、参考程度にご覧ください。

2010/11/30

精神的なこと 2

引き続き、精神面に出ていた症状です。

● 気合いが入らない
元々私は、病気に関係なく常に自分自身にスイッチを入れながら生きているようなところがありました。
笑うスイッチ、元気そうに見せるスイッチ、平気なふりをするスイッチ。
これは無意識に、その都度カチッと入っていたものです。
それが徐々に鉛のように重く固く、必死で押して入れないと入らなくなっていきました。
身体に出ていた様々な症状に、気持ちの面で対処できなくなってきます。
頭が動かせないほど痛く、吐くほどの頭痛でも、なんとかその日の仕事を終わらせるまで頑張れたのが昔の私でしたが、体調不良が悪化してからは、症状が出ると、何も頭に入ってこず、集中できなくなりました。
症状がでたら、『いつ早退するか』、そのことだけを考えていました。
今になって思うのは、それでもあれだけの仕事をこなしていた自分は
気合いがなくなったと感じながらも、底をつきそうな気力を絞り出しながら
頑張っていたのだなと思います。えらい、えらい。

● 集中力・判断力の低下
自分で決断が下せず、お昼ご飯を決めるだけでも
時間がかかるなんてことはざらでした。
仕事でも判断力が低下して常にぎりぎりまで結論を先延ばし、 自分の小さな買い物でも迷って母親に電話する始末、それも何度も。
(↑これは性格的なこともあるとは思いますが…)
身体に症状が出ると、目の前の仕事にほとんど集中できなくなります。
1時間で終わる作業が倍以上かかったり、仕事のスケジュールも時間配分が上手くできないことがありました。
それを気づかれたくなくて一人で抱え込むからまたもストレス…。

判断力低下の最たるものは自分の症状を冷静に判断できなかったこと。
原因が分からなかったから、しょうがないのかもしれませんが、
病気ではないのに休んでいいわけがない、弱音を吐いていいわけがない…そんなの甘え、毎日症状を口にしていたら周りがうんざりする、
そんな考えが私を支配し、ここから目を背けていたように思います。
最も目を背けなければ普通に生活することがかなり難しいほど
様々な症状があったのですが。

●固執する、虚勢を張る
判断できないかと思えば、ひとつのことに固執してしまうこともありました。
例えば、生活改善が思うように実行できず、毎日悔やむのであれば、
いっそ気にせず、自分の好きなことを優先し、遅く帰宅しても
焦らずくつろごうと考えたところまではよかったのですが、
見たくもないテレビを延々と見ていたり、目ががんがん痛いのにネットを
やめられなかったり、それなのに今しなければよけいストレスがたまる
といった変な考えにとらわれていました。

仕事を辞める決断ができなかったのも、原因が分からないのだから
身体のことを理由にはできないということに固執しすぎて、
とにかく仕事を頑張って結果を出せば、誰に何も言われないで
辞めることができるからその時休めばいいや と、とにかく次の
ステップに行くことばかりを考えて、仕事で結果を残すことにいつしか
固執し始めていました。
今振り返ってもあの頃なぜ『仕事が全て』みたいになっていたのか
分かりません。どうして頑なになっていたのか…。
口にすることはいっちょ前で、冷静さを装っていたけれど、
いつだって俯瞰で見ることができていなかったと、元気さを取り戻した今なら、
あの頃の異常さがよく分かります。こういうとき無性に後悔の念に襲われますがそれも病気がさせたこと、皆さんも自分を責めてはいけません。


●物忘れ
記憶力はいい方でしたが物忘れがどんどんひどくなっていきました。
仕事の内容をメモしなければ次にそれを考えたときには
もう思い出せなかったり、やることリストの箇条書きだけでは
自分の仕事の段取りがつかめず、行動ごとにメモしなければ一瞬次の行動が
分からなくなってしまったり。
他にも例えば大きなプロジェクトの重要事項、内容的に絶対忘れない用件を
メールしたとき、用件も、メールしたという行為そのものも、
まるまる忘れてしまっていました。
そのメールを見せられても思い出せなかったり、今考えても思い出せません。

さすがに戸棚から腐った鶏肉が出てきたときは笑うしかなかったけど、
心のなかで大きく胸騒ぎがしました。(冷蔵庫と間違えたようです)。


●睡眠不足
8時間寝ないとダメな私にとって、ただでさえ睡眠時間が少なかった日も
多かったのですが、それでも身体のためと、たとえどんなに寝たとしても
寝た気がしませんでした。
早起きは得意な方だったのに、早く寝ても朝起きるのがつらい。
夜は布団には入っても眠りにつけない。(治療している今なら分かるのですが、仕事などで遅くまでPCに向っていたのが原因でしょう。)
寝ようとすればするほど頭の中でぐるぐると思考が止まらなくなり、
どんどん目が冴えていきました。寝不足の日は決まって体調を崩していました。
だから今日こそはと意気込みまた眠れない、本当に悪循環この上ありませんでした。

以上が、明らかな身体の症状とは別にでていたものです。

あの頃の自分の行動を受け入れながら、
過去のことを振り返る作業は容易なことではありませんでした。
このカテゴリを書くことにすごく勇気と、時間を要しました。
自分は強がりの弱虫だと認めることが、とても大変な作業でした。
このブログを始めてから、更新まで時間がかかったのは、多くのそういった
事柄を消化するために、ものすごく時間が必要だったからです。

低血糖症の特徴として
精神的な症状は体調が悪いときにしか出ない そうです。

ずっと感じていた、自分の意志とは違うところで気持ちが操られている
という感覚にはこうした理由があったのです。
私は、具合が悪くなるから、気持ちを強く持てないのか、
精神的に何か心が苦痛を感じているから、具合が悪くなるのか、
自分では分かりませんでした。
原因が分からないと、自分も周りの人もとくに後者に目がいきがちですが、
低血糖症に関していうなら、前者がその特徴です。
それが分かるとこの病気との付き合い方が分かってきます。そして何より、
治療が進むにつれて本来の自分を取り戻し、
自分を癒すことができるようになってきます。
これは今現在の私が実感していることです。
あきらめないでいきましょう。

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